ラルタンについて

著書のご紹介

男女1100人の「キズナ系親孝行、始めました。」
~平成親子の“つながり”術

2012年8月/河出書房新社





【目次】
はじめに:なぜいま「親孝行」なのか?
第1章:親孝行の理想と現実 ~仕事、同居、結婚。なぜ親と子はすれ違う?
 結婚はホントに「親孝行」?/離婚後の「親孝行リベンジ」/「家族全員でケーキ入刀」のナゾ/働くわが子を理解できない親もいる ……ほか
第2章:趣味と親孝行 ~写真、習い事、コトギフト。親に生きがいを贈るには?
 親はこんな話がしたい/あり得ない大失敗をなくすには?/親に対する「三大禁句」/「シニア割」に要注意!/なぜ、モノよりコトを贈るのか? ……ほか
第3章:旅と親孝行 ~ついで、日帰り、○○ツアー。お金がなくても旅できる
 さりげなく節約するには?/「ついで孝行」で、ぎこちなさを打破/親が喜ぶリバイバル旅行/母娘旅にはこんな特典も/「すべらない」親孝行旅行のコツ ……ほか
第4章:暮らしと親孝行 ~ファッション、ケータイ、家事代行。離れていてもつながれる
 これでいいんだ!プチ孝行/震災で「つながらない不安」を痛感/親が若返る?こんな孝行も登場/親が「わが子の声」を消せない理由 ……ほか
第5章:同居と親孝行 ~ペット、リフォーム、セキュリティ。感動シェアと節約生活
 改めて、同居か別居か?/オトナ家族も、これならうまくいく/親はホントはこうして欲しい!/親が嫌がる「地雷」とは?/なぜ「孫育て講座」が大盛況? ……ほか
第6章:終活と親孝行 ~介護、葬儀、明るい遺影。「さよなら」のその日まで
 涙、涙のエンディングノート/介護に備えて、これだけは/親が死ぬまでにしたいこと/ブームになった「明るい遺影」/ここまできた!最新葬儀事情 ……ほか
おわりに:どう思う? 次長課長の河本準一さん問題

「親孝行に“いつか”はない……!」
それが昨年、私が実感をもって感じたことでした。

理由は3つ。1つ目は、父が重篤な病にかかったこと。2つ目は、経済産業省の「ライフエンディングPJ」のメンバーに選ばれ、「終活」について真剣に考えたこと。

そして3つ目は、昨年3月の東日本大震災の直後、ある雑誌で2000人の皆さまに対して行なった定量調査。そこには「親と離れていて不安だった」「親の近くにいたい」といった、20~40代男女からの書き込みが山ほどあったのです。


20~40代が始めた「キズナ系親孝行」

昭和の親孝行といえば、「親に家を建ててあげる」「お墓を守る」「仕送りをする」など、少なからず金銭が絡む、“ガチ”な親孝行をイメージした人も多いはず。

ですが平成のいま、子世代の間では、“心”のつながりを重視する「キズナ系親孝行」が主流を占めるようになりました。

本書のスタートは、親孝行に関する「1100人アンケート」(定量調査)。20~40代男女の皆さまが何を親孝行と考えるか、どんなことをしているか(できていないか)、などを改めて深く伺い、合計9か月に渡って取材を進めました。

8割以上が「親孝行」を実感、でも…

「あなたは、親孝行をしたことがありますか?」

この問いに、20~40代男女の8割以上が「YES」と回答。
ただ、その内容は「おかんの髪型を褒めてあげる」「父親に甘えてお金を出してもらう」といったプチ親孝行も含めて、実に広範囲にわたりました。

逆に、「親孝行したことがない」と答えた17%の男女ほど、親孝行を真面目に考えていそうで、「時間がない」「お金がない」「ぎこちない」が、親孝行の3つの阻害要因になっていることも分かりました。



親は本当はどうして欲しいのか?

本書では、習い事や映画などの趣味に始まり、親孝行の旅、食、ファッション、ケータイ、ペット、リフォーム、セキュリティ、そしてエンディングノートや介護、葬儀など「終活」について、1100人の皆さまから寄せられた「キズナ系親孝行」の事例を、100件以上ご紹介しています。

そして、もう一つ。牛窪がどうしてもこだわったのが、04年、積水ハウスと弊社が「これからの家族を考える会」を起こして以来、研究し続けてきた「平成のオトナ家族」の姿。

今回も、「親はどうして欲しいのか?」に悩む、20~40代男女へのインタビューが多数登場します。


6月、改めて宮城と岩手の被災地にもお邪魔したのですが、不覚ながら取材中、何度も泣いてしまいました。
親孝行に“いつか”はない。誰もがわかっていながらも、つい先送りしてしまっている日常。でも今回、「親孝行ってそうだったんだ!会議」というフェイスブックページを立ち上げた際、同ページや私宛のDMに「応援しています」と真っ先にご連絡くださったのは、すべて親を亡くした方々でした。
ぜひ1100人の熱い思いと「キズナ系親孝行」のヒントを、ご一読頂ければ幸いです。
(牛窪恵)