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代表あいさつ


「どんなに苦しくても立ち直れる私は、きっと“何か”に守られている」……そう感じた瞬間が、これまでに何度もありました。とくに忘れられないのは、20代で深刻なストーカー被害に遭ったとき、そして性犯罪被害に遭いかけたときです。
いずれも命を脅かされるほどの恐怖に直面しながら、ギリギリで最悪の事態は防げました。それでもストーカー被害の後は、怖くて外に出られず、仕事も到底できる状態ではなくなりました。

そのとき気づいたのが、自分を守ってくれた“何か”への深い感謝です。夫や両親も含めた大切な家族や友人、知人……。私を助けても得にならないのに、彼らは身を挺してくれました。私がフリーライターとして仕事を再開できたのも、すべて彼らのおかげです。

そして、事件から1年後に出逢ったのが、尊敬すべきジャーナリスト、故・岩下久美子さん。彼女が提唱した「おひとりさま」という言葉を、「シングル(独身)マーケット」というマーケティング上の市場論に発展させたのが、04年に書いた私の初の著書『男が知らない「おひとりさま」マーケット』(日本経済新聞出版社)。最大のテーマは、「女性の自立」です。

おかげさまで著書は大きな話題となり、そこから企業様との商品開発などマーケティング業務が、本格的にスタート。いまでは女性スタッフばかり30数人が活躍するマーケティング会社へと成長しました。
振り返ると、起業時(01年4月)の思いは、「女性がいきいき働いて、自分の足で立って歩ける社会にしたい」。集まってくれたスタッフは皆、パワフルで前向きな女性ばかりで、今も弊社は彼女たちあっての企業です。

ところがその後、企業様とのマーケティング業務の中で、「この先、自分はどうなるんだろう」と悩みを抱えるのは、「おひとりさま」だけはないことに気づかされます。
とくに、私が「独身王子」(06年)と呼んだ独身男性や、「草食系男子(世代)」(08年/現30代半ば~後半)、さらに「恋愛しない若者たち」(15年)で取材したゆとり世代(おもに現20代)の、漠然とした「将来不安」は、予想を遥かに上回るほど大きなものでした。

そして我々を襲った、11年3月の東日本大震災。被災した宮城や岩手、福島第一原発などにお邪魔する中で、私は改めて深く考えました。「自分は、何のために生きているのか、生かされてきたのか」……。

その答えは、私が経営学を学ぶために立教大学大学院で「MBA(経営管理学)」を取得し、さらに令和の時代を「新型コロナウイルス」が襲った今も、まだ見つかっていません。
ただ、これだけは信じています。命さえあれば、強い思いさえあれば、「未来」は変えられる。「社会」はもっと明るくできる。これまで、ギリギリのところで生きて来られた私も、きっと何かのお役に立てるのだと。

弊社名「インフィニティ」の根底あるのは、「枠にとらわれない、無限大(インフィニティ)の新たな価値観を提供する」との決意です。
どんなに苦しい時期があっても、明けない夜はありません。私やスタッフは、日々消費者の生きたお声に寄り添い、耳を傾けながら、熱い思いを胸に、私たちの強みである「言葉」によって、社会や人々の未来を明るくすべく頑張ってまいります。どうぞ皆さま、今後とも何卒よろしくお願い致します。


インフィニティ代表取締役



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